2011年10月28日

やっぱりギターが好き

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A GIRL AND HER GUITAR/MARY OSBORNE(Century)/1959

こちらはブログ主の私(老獪なブロガー焼鳥夫)が音楽の感想文などを書いて、日頃のストレスを発散する電脳空間でございます。ごきげんよう。あいすみません。さて、1921年生まれのメアリー・オズボーンは、チャーリー・クリスチャンの5歳年下だ。いくらアメリカでも、この時代の女性がギターを手にするチャンスは少なかったのではないか。ロックスターが出現する十数年前の話である。それまで伴奏用楽器だったギターでカッコ良くアドリブを繰り広げる黒人のクリスチャンを見た(聴いた)ティーンエイジャーのオズボーン嬢、おそらく一発でノックアウトされ、即ギターを始めたのかもしれない。渋い趣味だなあ。

まあ歴史や経緯など、どうでもいい。どうですか、この惚れ惚れとするカッコ良いジャケ。フルアコにキリキリと張られた極太弦の上を、白魚のような左手の指が軽やかに舞い、華奢な右腕を打ち振って必死にピッキングする。さぞかし繊細で、か細い音が出てくるのではないかと想像するが、これが違うんだな。オズボーンのフレージングは、スインギーでジャンピー。ジャランジャランとクリスピーな音色は耳に心地よく、かつ、少しだけオーバードライブの掛かったヤクザな音色もカッコ良い。

スタンダードやエリントン・ナンバーが並んでいて、いかにもジャズアルバム然としたプログラムだが、ジャズギターの枠に納まらない躍動感がある。ジプシースイングや、後のロカビリーにも通じるスインギーな怪しさが良いスパイスになっている。さらに「名盤の影にこの人あり」と言われるピアノのトミー・フラナガンもいい仕事をしている。ザックリと豪快なカッティングで露払いの後、グリグリとシングルノートで押しまくるソロに突入する冒頭の「アイ・ラブ・パリ」から好戦的だ。

サイドギターのダニー・ベイカーが刻むフォービートリズムがスインギーな、「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」で聴かれるオズボーンのジャジャ馬ギターソロと、ジャズの王道を行くフラナガンのピアノソロの対比が面白い。かと思えば、クリスチャン直系らしい、複雑な色合いと深いコクを備えた、豊穣なコードソロを披露する「ソフィスティケイテッド・レディ」。ベイカーとのギターデュオで幕を開け、いきなりテンポアップしてスイングしまくる「アイ・サレンダー・ディア」は、セロニアス・モンクも思わず「脱帽」の異色アレンジ。

アップもスローもオズボーンの豪快かつチャーミングなプレイをたっぷり堪能できる上質のジャズギターアルバムだ。いや装丁はジャズだが、ギターはロックンロールしてます。以下の動画は1958年にアメリカで放送されたテレビ番組だそうだ。テナーはコールマン・ホーキンス、トロンボーンはエリントン楽団にも在籍したタイリー・グレン、盲目のピアニストは「バッハが町にやってくる」のアレック・テンプルトン、ヴァイブはこの数年後グレて実験音楽に突き進むテディー・チャールズ、うーん後はよく分んないけど、とにかく並居るスイング〜中間派の大御所(オッサン)を向こうに回して、一歩も引かずグリグリとギターを弾き倒すメアリーさんの頼もしいこと。



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posted by やきとり at 00:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このジャケットは、もしやWhite Falconではあるまいか? グレッチでジャズを弾く人って、いそういないんですよね。初めて見たかも。
Posted by 非国民 at 2011年10月28日 04:16
言われてみて、気が付きました。なるほど確かにそうですね。動画の中で弾いているのも同じギターっぽいなあ。メアリーさんのフレーズや音色が持つ、どことなくヤサグレた空気は、グレッチのせいかしら?
Posted by やきとり at 2011年10月28日 08:56
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