2012年01月09日

越後旅情

ngt3.jpg
現在の万代橋は三代目だそうだ。

年末年始は新潟にいた。12月30日。地元の立呑屋で軽くイッパイやってから、着替えでふくらんだカバンを背負って海浜幕張駅に向った。 集合場所のグリーンタワーの前には、いかにも「昭和の観光バス」といった風情の古びた夜行高速バスが列を作り、暗い表情の若者たちを飲み込むと、それぞれ東北や関西方面に向けて出発していく。私も21:45発新潟行きに乗り込み、黄ばんだレース編みが掛けられた固くて狭いシートに身体を押し込むと、あっという間に眠りに落ちた。途中、栃木県北部にあるSAで目を覚まし、カーテンの隙間から外をのぞくと、一面の雪景色に驚く。どうやら休憩のようだ。広い駐車場はしっかり除雪されているが、路肩には5m近く積み上げられた雪で壁が出来ている。表に出てタバコを吸っているドライバーの横で私もタバコに火を点け、「一晩中1人で運転するのは大変でしょうね」と話し掛けた。無表情だった小柄なドライバーは、「いやあ、休み休みだがら」と、口元のシワに笑顔を刻んだ。

ngt1.jpg
新潟市内は雪の代わりに新巻鮭で埋め尽くされていた。

次に目を覚ますと、バスはちょうど新潟駅南口のロータリーに滑り込むところだった。朝6時半。日付はすでに31日に変わっている。あわてて下車しながら「どーもお世話さま」と言うと、ドライバーは「おつかれさま」と挨拶を返してくれた。意外なことに、ほとんど雪が無い。海に面した新潟市は、実はそれほど雪が積もらないそうだ。もちろんローカル線で山側に2駅も行けば、たちまち銀世界が広がる。大晦日は実家でほとんど寝て過ごし、年が明けてから市内散歩に出掛けた。実家があると言っても、新潟に住んだことはない。

ngt2.jpg
ヤングが集う「ラフォーレ原宿・新潟」。

ngt4.jpg
「新潟アルタ」もあります。地方都市の東京化は嘆かわしい限り。

ngt5.jpg
遠くに謎のタワーを発見。

ngt6.jpg
新潟名物「レインボータワー」はメンテナンスのため長期休業中だった。クリックで拡大。

若者たちでにぎわう万代バスセンター2階にある「レインボータワー」に行ってみた。ところが東日本大震災で損傷して以来、メンテナンスのため運休中とのこと。筒状の白いゴンドラが、7色に塗り分けられた塔を回転しながら上下する仕組みらしい。仕方ないのでブラブラと万代橋を渡り、古町地区に向かった。古町5番町には、水島キャラクターの銅像が乱立するフリージャズなアーケード街があるのだ。

ngt9.jpg
景浦がお出迎え。完全にアル中の目は、クリ拡で確認できます。

ngt7.jpg
老舗の菓子店にホームランを打ち込む迷惑な山田。TAI-GAKUだ! クリ拡。

ngt8.jpg
ドリームボールを投げ中の水原。KURI-KAKU。

ちなみに岩鬼のハッパは途中でポッキリ折れていた。さもありなん。そのままアーケード街を抜けて、市内最大規模の白山神社に向かう。どうやら新潟の「明治神宮」みたいな場所らしく、参拝する人びとが鳥居の外まで溢れている。「すべての宗教がこの世から消え失せますように教」の教祖でもある私は、それを無視して境内をぶらつく。たくさんの屋台が出ていて賑やかだが、舎弟企業だとしたら大変だ。暴力団排除条例によって、神社が取締の対照となるのではないか。

ngt10.jpg
そういえば年末も神社に行ったっけな。

ngt13.jpg
最近は「お面」は人気がないのだろうか。

ngt12.jpg
一番人気の屋台は新潟名物「ポッポ焼き」。黒糖と粉で作った菓子。

ngt14.jpg
境内には静かな地帯もある。

ngt16.jpg
尻の辺りにポッポ焼きを2、3本置いたら絵になりそうだ。

片隅に犬の銅像を発見した。土台には「名犬タマ公の像」とある。犬のくせに「タマ」なのである。しかし侮ってはいけない。タマ公は2度にわたって雪崩に巻き込まれた人を救出しているのだ。柴犬のくせに、まるでセントバーナードみたいな活躍ぶり。死んだ飼い主をただ駅前で待っていただけのマヌケなハチ公より、名犬度は遥かに上だ。すごいぞ、タマ公! 境内ではお焚き上げが行われていた。古いお守りや熊手などが次々と投げ込まれ、その度に高い火柱が立ち上がり歓声が湧く。周囲では長い棒の先に結びつけたノシイカが売られていたが、お焚き上げの炎であぶって食う縁起物だそうだ。奥様、聞きまして? ノシイカ1枚1000円ですってよ。霊感商法ですわよ。

ngt17.jpg
クリットをいじると霊感商法の面々が!

ngt18.jpg
ご当地アイドル。

街角のデジタル寒暖計は6°Cを示していた。数字だけ見ると千葉とそれほど変りないが、体感気温は新潟の方が圧倒的に低い。日本海に近いせいもあって、とにかく風が冷たいのだ。たとえば、幕張に吹く風が「鈍器のような物」なら、新潟の風は「鋭利な刃物のような物」とでも言おうか、風に悪意が満ち満ちている。しかしオッサンは風の子、私はこうやって毎日のように散歩をして正月休みを過ごした。そして、昨年8月以来の長い長い休暇が終ったら、いよいよ労働再開である。


posted by やきとり at 12:00| Comment(13) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
近頃良質な旅日記を見かけなくなった、とお嘆きの諸兄にぴったりのエントリですわ。水島新司キャラの銅像で爆笑、初笑いです。向かうところ敵なしと言ったアンバイでしょうか。景浦のマナコとお店に打球を思いっきり叩き込む迷惑なドカベンなど、私の心の琴線にビンビン触れましてでございます。あと、水原は可愛くないなあ。ラフォーレはこちら愛媛にもありましてよ。「ラフォーレ原宿・松山」って、それは何処なんじゃ、とツッコみ満載でしたが、惜しむらくは撤退を余儀なくされたみたいです。ザマミロ東京中華主義。その代わり、ご当地アイドルは愛媛にもありますぞ。「ひめきゅんフルーツ」とかナントカ。愛媛も新潟に負けるか、と頑張っているようですよ。ま、ご当地ソングがアイドルに変わっただけの商法なんでしょうねえ。いやあ、久々にワロタ。ところで記事中フォントが変わるのは、そこに深謀遠慮が?
Posted by something at 2012年01月09日 13:13
いやはや「旅日記」などという上等な代物ではありませんよ。そういえば、駅前にも七福神の銅像が点在する商店街がありました。新潟人は銅像好き? 新潟古町のアイドルRYUTISTは http://ameblo.jp/ryutist/ で、ひめキュンフルーツ缶は http://himekyun.jp/pc/ これですな。おっと忘れてた。千葉のC-ZONE http://www.c-zone.jp/ ですが、メンバーに千葉県出身者が1人もいないところが粉飾決算でございます。それにしても、愛媛が一番洗練されてるような気がするなあ。おそるべし!愛媛。あと、フォントは最後に揃えるの忘れてただけです(笑)。
Posted by やきとり at 2012年01月09日 13:42
帰省?おつかれさまでした。

こんな水原勇気は木之内みどりではないので竹中直人と結婚できません。
ハイヒールリンゴにも似てます。つうか鼻の下は坂本龍一じゃないか。
Posted by なめぴょん at 2012年01月09日 15:15
「刑事犬カール」は好きだったなあ。木之内みどりは憧れのお姉さんでした。「コメットさん」の大場久美子より好きだった。てゆうか水島銅像は全員目がヤバかったですよ(笑)。
Posted by やきとり at 2012年01月09日 17:40
大場久美子はア↑イ↓エ!オ↑イ↓エで、コメットさんと来れば九重佑三子だよね。

村上に実家があるとは、里見に続きなんたる偶然なんたる因縁。オイラの先祖の一人であるN村氏は村上周防守忠勝の配下だったのだ。(実は、このN村J衛門家の血統は二百年程前に跡絶えていて、オイラの中に僅かに流れるN村家の血は全くよその家の血。名跡だけが引き継がれているのだけれど)
Posted by 野良猫 at 2012年01月09日 23:41
懐かしの新潟。。といっても、所和30年代後半ですから記憶にあるのは万代橋くらい。父の転勤で一時期を過ごしましたが、思春期ですから思い出がいっぱいあります。
万代橋の下を流れる信濃川は、石油タンク火災で知られた地震の直後、自衛隊の上陸用舟艇で渡りました。
あれから50年近く経ちますから、ずいぶん変わっているでしょうね。
Posted by とむ丸 at 2012年01月10日 16:14
新潟ブルース

万台橋聞いたことあるなと思っていたら…北国のご出身でしたか
Posted by 介護員 at 2012年01月12日 18:56
>野良猫さん
ははあ、野良猫さんは九重佑三子の世代ですかあ(笑)。で、実家というか、つい1年程前から両親が住み始めたのが新潟でして、私は新潟についてはド素人でございます。村上市もよく分りませんが、検索したところ鮭と牛肉が有名だそうですね。鮭は正月にさんざん食いましたが、関東と違ってソバガラ入りの枕みたいな肉厚な切り身でメチャクチャ旨かったです。

>とむ丸さん
ほほう、とむ丸さんは青春時代の一時期を新潟で過ごされたのですね。旧新潟地震の惨状については義父から聞き及んでおります。それでも一目散に復興が達成されたとか。元々港町の新潟はハイカラな気風もあり、さらに日本人の逞しさなら当然だと思いますが・・・しかも、当時は「核発電所」が無かったですしねえ。

>介護員さん
ふふん、「万代橋」ですYO! 風呂屋の番台には興味ありますけども。で、しかも私は東京生れの沖縄育ちでございます。ブログ的には「北国出身」ですけども(笑)。
Posted by やきとり at 2012年01月12日 21:20
 こんばんは。
 やきとり殿が新潟と縁があったとは意外。新潟は当方の第二の故郷です。4年間暮らし、その後も何回も訪れている地です。
Posted by 闘うリベラル at 2012年01月15日 20:47
おお、ドカベンの腰が入った素晴らしいスイング!
伸び悩むダイマツや神鋼神戸、じゃなかった新婚神戸には見習ってほしいですYO!
水原勇気の像が、いつの間にか左腕を高く上げた森福に替わっていたらコワいな。
Posted by カ@「木内みどり」が憧れのお姉さんでした at 2012年01月15日 22:53
>リベラルさん
新潟の風は、QVCマリンの海風とは比較にならないくらい凶暴でした(笑)。それでも独特の異国情緒は、たとえば横浜とか長崎とか、昔ながらの港町に似た風情があって良い町ですね。それとやっぱり酒とサカナが旨い! あと今回食い損ねた老舗「とんかつ太郎」の、名物タレカツ丼は、ぜひ次回チャレンジしたいと思います。

>河村さん
おつかれさまです! フィリピーナといえばウチのロートルのニュースも、今日伝えられましたね。てゆうかなんか昨年の良いニュースといえば岡田のGG賞くらいなもんで、他は全部SBに持ってかれた感じですが、今季は藤岡に期待! 最速1年目で球団史上初の沢村賞ゲットを狙って欲しいです。そういえば、確かロッテの投手って、今まで1人も沢村賞を獲ってないんですよね? あと残念ながら私にとって、木内みどりは「元気が出るテレビ」のオバハンDEATH!
Posted by やきとり at 2012年01月16日 23:13
いやはやお久しぶりです。
母親の実家が新潟県加茂市なもので、ちょっと懐かしく拝見させていただきました。もうかれこれ20年位行ってないなぁ・・・(遠い目)。
ところで「忠犬タマ公」ですが、確か新潟県の小学校の教科書に載るくらい、県内では有名だったと思います。小学生時分、いとこに「ハチ公より偉い!」と自慢されたことがあります。まあ、人命救助してる分、明らかに偉いでえすねぇ(笑)
Posted by bronks at 2012年02月12日 08:16
bronksさんのつぶやきで忘れてたUst中継を思い出し、あわててチェックイン、なんてことも多いです(笑)。それにしてもタマ公ってそんなにメジャーなんですね。実績からすると焼鳥食ってご主人を待つだけのハチ公より、エラさのレベルが違いますよ。あなどれませんね。神社の境内にひっそり銅像を置くだけじゃなく、新潟県はもっとタマ公をプッシュすればいいのにねえ。映画『TAMA 救出の犬』制作なんてどーかしら? リチャード・ギアの主演で。
Posted by やきとり at 2012年02月12日 13:16
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック