2012年06月19日

あらしの夜に



2009年の冬、ブロッサム・ディアリーの訃報に触れた時、何か書きたいなあと思いつつ、3年が経ってしまった・・・と、カッコ付けた書き出しの割にずいぶん経ったねどうも。えージャズを聴き始めた大学生の頃、セロニアス・モンクとホレス・シルバーに参っていた私。なぜかと言えば、シルバーはフツーにカッコ良いし、モンクは間抜けなピアノが逆にカッコ良かったから。中高一貫フュージョン小僧の私としてはそれが精一杯で、そんな偏った耳のオマエでもこれならイケるんじゃないかと、当時フリージャズにのめり込んでいた友人Mが半笑いで勧めてくれたジャズボーカルが、ブロッサム・ディアリーの、このアルバム(1957年)だった。

19歳の私は思った。ジャズボーカルと言っても、シオカラ声の婆さんだけじゃないのね。なにせこの美貌、舌足らずな歌声。 おまけにクラブで歌っている時、ペチャクチャ私語する客を演奏を中止してまで叱りつける学級委員長みたいなキャラだそうだ。まとめると「メガネっ娘」「ロリ声」「ツンデレ」、いずれも私がジャズを聴き始めた80年代には存在しなかった言葉だが、さる方面の方々にはたまらない魅力だろう。



しかも生涯現役、88歳で老衰で亡くなるまで、美貌はともかく「ロリ声」がまったく変わらないのが驚きだ。上掲の動画は亡くなる10年前だから御年78歳。テレクラのサクラなら、死ぬまで稼げるレベルの「声」である。まあ冗談はさておき、ブロッサム・ディアリーが70年にロンドンで録音したアルバムが、廉価版(1100円)で再発される。ジャズボーカルというより、ポップスファンにこそ聴いて頂きたい。イアン・カーが絡んでいるので、英ロックファンにもアピールするのではないか。「青春の光と影」などのカバーも悪くないが、全11曲中8曲がディアリーのオリジナルで、どれも捨て曲なし。聴けば分かる。名盤。

M2
M2


M5


M9


M12

ディアリーの稀代の名曲M5はテテ・モントルーが何度もカバーしている。猛烈にスイング!


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posted by やきとり at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これに『Give Him The Ooh-La-La』を足して出来たのが『Whisper For You』なんですね。
イエスタデイ・ホエン・アイ・ワズ・ヤングが好きでこればっか聴いてたことがあります。21曲も入っててお買い得でした。
可愛いひとだと思って軽い冗談を言ったらピシャッと平手打ちを受けそうな感じがやっぱり可愛い人。
いい感じのおばさんの頃もすてきだったけどやっぱりメガネ美女ですね。声が可愛すぎるという人もいるけど何が悪いのか、Fly Me To The Moonの入ってる、小鳥がメガネを運んでるジャケットがお気に入り、なんだか都会からやってきた小学校の音楽の先生みたいです。
Posted by クロコ at 2012年06月20日 01:40
私も『ウィスパー〜』で最初に聴いて、その後単独CDに買い替えました。『ウィスパー〜』は2in1でお得なんだけど、組合せがチグハグですよね(笑)。

>都会からやってきた小学校の音楽の先生みたい

まさに言い得て妙!
Posted by やきとり at 2012年06月23日 06:51
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