2012年08月26日

錦糸町へ 2

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すでに先週の話になるが、錦糸町ジャズフェスに行ってきた。正確には「すみだストリートジャズフェスティバル」というそうだが、「錦糸町ジャズフェス」の方が座りが良い。毎年お盆過ぎの土日の2日間、墨田区の錦糸町〜押上エリアは「ジャズ」に占拠される。実は去年も、私はこのイベントに参加した。当時まだ建設中だった東京スカイツリーも完成して、去年以上にたくさんの人が町にあふれている。

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あっちは日陰でうらやましい。

錦糸町駅北口を出ると、いきなり音楽が聴こえてきた。右手にそびえるアルカイースト横の歩道で、トランペットとトロンボーンの2管クインテットが「スイングしなけりゃ意味がない」を演奏している。それを遠巻きにながめる人びとは、みな手に持ったパンフで顔に風を送っていた。しかし焼け石に水。その場に5分もいると、たちまち干からびたカエルみたいな気分になった。つづいて「リカード・ボサノバ」が始まる。スタンダードなんか見たくないので、同ビルの裏手に回ると、ダサ夫の琴線に触れるビジュアルのサックストリオがクールに演奏中。こちら側は日陰で、しかも地下鉄出口前なので、常に涼しい風が吹いてくる。まるでザッパ曲をオーネット・コールマン・トリオがカバーしたような面妖なオリジナルを、MC無しで黙々と演る姿勢に好感がもてる。パンクだねえ。

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非常に親しみの湧くビジュアル系ですね。

若い頃の森山威男みたいなルックスのドラムの人は、楽器の腕前もなかなか。やたらとリバーブペダルを踏みたがるベースの人は、きっとプログレが好きなのかな。あと、サックスの人は謎のポシェットからハンカチを取り出して汗をふいていた。30分ほどの演奏を全部見てから、まずはガードをくぐって南口の楽天地前ステージに向かった。おっと、その前にコンビニでビールビール。そこで目に付いたのが不自然に赤い缶。レッドアイというカクテルのことは知っているが、飲んだことはない。いわゆるビールのトマトジュース割である。私はビールもトマトジュースも好きなので、ためしに購入してみた。

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不味くは無いのですが。

喉がカラカラだったので、ほぼ一気飲みしたが、正直に感想を述べれば「別々に飲んだ方がうまい」。楽天地前ではキーボードトリオが出ている。麦わら帽子とサンダルの脚元が涼し気な女の子が、これまた風通しの良いフュージョンを演奏していた。80年代の匂い、バブルの香りがするオリジナル曲だが、こういう音楽にも需要があるのか、しきりに声援を送るオジサンが数人いる。楽しそうに鍵盤を操る女の子はなかなか可愛らしい顔をしているので、どうやら固定ファンが付いているようだ。やたらと長いレンズを装着したカメラでバシャバシャと女の子ばかり撮影している青年に対して、「がんばって生きなさいよ」と心のなかでエールを送り、メインステージのある錦糸公園に向かうため、再びガードをくぐって北口へ。

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1人だけ直射日光を浴びる女の子。

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メインステージでは不良たちが大道芸みたいなのをやっていたので、サブステージへ。

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サブステージでは今年も「石原四丁目町会」のテントが大活躍。

まるで悪意がこめられたような日差しは確かに強烈だ。しかし日陰に入ると、意外と涼しいことに気付く。湿度が低いのかもしれない。メインステージからすこし離れた木陰を選んでぼんやりと音楽に耳を傾ける。また喉が乾いたので、近くの東急ストアで缶チューハイとチーズを買い、さらにメインステージ前に並ぶ模擬店で、シュリンプフライ(300円)とポテトフライ(300円)を購入。缶チューハイはたちまち温くなるが、酔っ払ってしまえば気にならない。いやあ、何だか良い気分だなあ。やっぱりジャズフェスってのは、音楽よりも雰囲気を楽しむものだね。というわけで、そろそろ眠くなってくる私。

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ステージ横の木陰で飲酒&喫煙。

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写真もテキトーになってきたな。

このまま芝生に寝転がって一眠りしたら、さぞかし気持ち良いだろうなあ・・・そんな誘惑に負けず、去年も乗車したジャズバス乗場に向かう。どうせタダなんだから、目一杯楽しまないとね! んまっ、ビンボー人の根性っていやらしいわね奥様? ジャズバスといえば去年はガラガラ&あまりの至近距離に、演奏する方も見る方も目線の置き場に悩むという、何となく気不味い雰囲気が実にステキだった。去年は女性シンガーとアコギのデュオで、ボサノバなんかを演っていたっけ。

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発車オーライ! ガラの悪いジャズバスの運転手さん。スウィングしてるね!

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なんも見えねえ。

驚いたことに、ジャズバスは超満員。まさにラッシュアワーである。せっかくの日曜日、ジャズでも聴いてリラックスしようとやって来たお父さんたち。これじゃあいつもと同じで気の毒だ。ちなみに去年はこんな感じ。バスは錦糸公園を出発して、東京スカイツリー駅(元・押上駅)を巡って錦糸町駅に戻るコースをたどる。すなわち乗客は、ジャズを聴きに来た人<スカイツリーを見に来た人、なのである。実にくだらない。日本人はミーハー馬鹿ばっかりで困るよね。

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わーい! わーい! ソラマチだ! 人がいっぱいだ!

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ビミョーな感じ?

案の定、スカイツリーで90%の乗客が下車し、ようやくライブを鑑賞できるようになったのはいいが、バスの心地良い揺れと酔いのせいで、ついウトウト。今年も女性ボーカルとギターのデュオだったが、実力は昨年見た2人の方が上だろう。子守唄がわりに聴いていると、目的地の「すみだパークスタジオ」に到着したのであわててバスを降りる。70年代マイルスのコピーバンドが目当てだったが、残念ながらちょうど終ったところだった。どうやら私の勘違いで、1時間遅かったらしい。で、次に始まったタワー・オブ・パワーのコピーバンドを見ることにする。

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ドーモー、アラン、デース。やや暴走気味のMCに、客席は半笑い&メンバーもチョイ引き。

ガチガチに固いファンクリズムの上を、一矢乱れぬブラスのユニゾンが駆け抜ける。メンバーの腕前も上々。これはこれでカッコ良いね。80年代的「ヘンな外人」キャラのアランさんのMCにはすこし閉口したが、音楽自体は、ほとんどTOPを聴いたことのない私でも楽しめた。さて、涼しいホールを出ると、またもや熱暑が襲ってきた。さっきまで飲んでいた缶チューハイがたちまち汗となって、身体中から噴き出すのが分る。それでも次のジャズバスがいつ来るか分らないので、去年同様、錦糸町駅まで徒歩で戻る。おかげで去年と同じ看板とも再会できた。

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ワンワンワン! ワンワンワン!

ようやく錦糸公園に戻った頃は、日はビルの向こうに隠れ、一帯は巨大な日陰に包まれていた。そういえば、最近はめっきり日が短くなった。少しずつだけれど、着実に秋が近づいている証拠だ。暑さとアルコールのせいで混濁した頭を抱え、私はジャズを見続ける。もはや誰が何を演っているのか分らないし、パンフを開くのも面倒なので知ろうともしない。まあ、それでいいじゃないの。気持ちが良ければ。

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直射日光さえ無ければ、快適な1日でした。

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MALTA御大。ジャズに回帰したはずだが、往年のバブリーなフュージョンを演奏していた。

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世界のヒノテルは、東日本大震災について何かを語って、何かを演奏していたけど、全部忘れた。



2011年8月22日 錦糸町へ


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posted by やきとり at 11:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 やきとり様、レポートありがとうございます。聖地錦糸町、行きたかったです(笑)。去年はとんでもなく寒かったですが、今年は良い天気でしたね。
 >ブルジョワのママゴトとのことですが、おっさんから見れば錦糸町は「錦糸町」wですYO!タダの好きなオッサン・オバチャンがもっぱらでしょう。タバコ咥えて酒飲んで、年に一度の晴れ舞台?な人たちも含めて、演奏をヘラヘラ楽しむというのは、場末な盛り場的であります。 
 >ドロドロごった煮的とはいいえて妙で、寿の会場は4方が囲まれた狭い中庭状でステージも高いので、やたらに暑いし、立ってなければならず、素直に踊りだす地元の方と盛り上がりに来た外来の客層で、わざわざでないと来ないところだから野次馬はいないので、まさに鍋で煮たてられているようです。出演者が多彩かつ質が高いのは、困難を乗り越えるに値します。
 今年は行きませんでしたが、山谷は出演者はやや寂しいですが、ブルーシートにゴロゴロしながら、無料のウーロンハイ飲んで50円均一のつまみを食べてとても良いです。
 運動系フェスも意外とすぐれたミュージシャンとの出会いがあるので馬鹿にならないです。ライブに行くようになったのは、韓国のギターメーカーの労働争議を支援する西荻でのフリーライブに行ったからですし。結構前衛的なバンドが並んでいてびっくりしました。
 また、遊んでください。
では。
Posted by L at 2012年08月27日 23:41
貧すれば鈍する。本も読まずニュースも追いかけず音楽も聴かず、果ては
アマゾンから届いたCDを箱のまま放置するようになってしまった私ですが、
久々にナマを聴いて「やっぱ音楽はいいなあ」と思った次第であります。
面白そうなライブ(無料ならなおケッコー)があれば、ぜひ誘ってくださいませ!
Posted by やきとり at 2012年09月02日 21:30
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