2012年09月26日

鰻丼で飲まない

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久しぶりにウナギを食った。台湾産880円と、私にしてはだいぶ張り込んだ。まずはウナギを皿にのせ少量の酒を振りかける。ラップをしてレンジで2分ほどチンする間に、丼に飯を盛り、付属のタレをまんべんなく掛け回す。レンジから取り出すと、ウナギの脂がジジジと小さく鳴く。皿に溜まった汁ごと飯の上にのせて、4本の串を回転させながら引き抜いたら準備完了。おっと、山椒を忘れちゃいけない。私は山椒が大好きなので付属の小袋だけでは物足りないのだが、S&Bの山椒は高いし、滅多に使わないので常備していない。

まずは銅の太い部分にハシを入れ、ひとくち分の長方形にカットする。皮がやや固いが、私はウナギの皮は多少歯応えを残している方が好みだ。高いウナギは皮も身もサックリと切れ、口に入れた瞬間に溶けるらしいが、「甘いもの」「柔らかいもの」ばかりもてはやす軟弱な風潮にはNOを突き付けたい。旨みが凝縮された脂が付着した皮をニッチャコニッチャコ噛んでいる時こそ、最もウナギを食ってるなあと満足感を得られる瞬間だと断言する。

切り取ったウナギの一片と、それに等しい面積分の飯を口に運ぶ。まずはタレの味。次に山椒の清冽な風味が鼻を抜ける。さらに身がホロホロとほどけ、ウナギの脂の味が舌の上にじわりと広がる。しかし身はあっという間に溶けて消えてしまう。ここから頼りになるのが皮だ。歯応えのある皮を噛めば噛むほど、ジュッジュッと口中に脂が追加される。そして最後に、タレと脂を吸った飯を奥歯で噛む充実感。口中で展開されるこれら一連のめくるめくドラマが、ウナギを食う醍醐味と言えよう。つまり1杯の鰻丼で、ドラマが約10回は見られる計算になる。

酒はどうしたって? 鰻丼を食うと決意した瞬間から、酒はあきらめる。ここにも何度か書いたと思うが、米を食うと私は酒が飲めないのだ。ウナギで酒を飲むなら、白焼きである。もっと小さく千切りながら、ていねいにワサビ醤油に浸してチビチビと食う。白焼きはタレの味が無い分、舌にウナギの脂がやや重く感じられるが、ここで酒の出番だ。日本酒を含めば、たちまち舌に残った脂そのものを洗い流しつつも、余韻のようなウナギの風味だけを残す効果が得られる。おっと、今は鰻丼に集中だ。酒のことはしばし忘れて、時々インスタント味噌汁をすすりながら、汗をかきかき、ひたすら丼に集中する。本当はぬか漬けが欲しいところだが、無いものは仕方ない。

一心不乱に食い終わり、麦茶をすすりながら一服する。40歳を過ぎてから、肉の脂はキツくなったが、ウナギの脂だけはいくら食べても胃にもたれない。そういえば絶滅危惧種に指定されたとか、されないとか。誰もが私のようにウナギを食うのを年に1度か2度くらいにすれば、そんな心配しなくて済むのに。しかもたまに食うと、旨さもありがたみも増すというもの。まあ、それだけの話です。


posted by やきとり at 14:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 飲食方面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おめでとう
Posted by 介護員 at 2012年09月27日 00:08
おありがとうございます! 何が?
Posted by やきとり at 2012年09月30日 21:52
鰻をたべれたことさ
Posted by 介護員 at 2012年10月05日 20:42
いやーたまにはね、ウナギくらい食いたいもんですね。
ただ、ウナギで酒を呑むとなると、白焼きとか肝焼きとかウザクとかウマキとかオシンコ盛り合わせとか、
どうしても「店」で、ということになってしまいビンボー人にはシキイが高くなります。
汗をかきかき汚いアパートで台湾産の鰻丼を掻き込むのが関の山・・・てゆうか、
今はそれで十分&大満足でございます。
Posted by やきとり at 2012年10月05日 23:13
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