察しの良いみなさまなら、とっくにお気づきだとは思いますが。

数年前に食べた「こんにゃくのレバ刺し」と同じメ−カ−から、今度は「こんにゃくのフグ刺し」が出た。われわれ庶民にとって、レバ刺しは4年前から法律的に食べられなくなってしまったが、フグ刺しはず−っと前から経済的に食べられない食品である。それら夢の食品をたった100円で提供してくれるのだから、株式会社カンエツ様の企業努力に頭が下がるばかりだ。そうでもないか。
さて中に入っているのはカットされた白いこんにゃくと、おろしポン酢の小袋。パッケージに表記されているカロリーの差は、すなわち添付されたタレの違いであろう(レバ刺しの34キロカロリーに対して、フグ刺しは26キロカロリー)。おろしポン酢と書いてあるが、なめてみるともみじおろしの味がする。ああ、これはそれっぽいなあと思ったところで、ふと根源的な疑問が頭をよぎる。すなわち、レバ刺しは酒場でよく食べていたから「こんにゃくのレバ刺し」と比較できたけれど、本物のフグ刺しなんてほとんど食ったことがない。本物のフグ刺しの味を知らないのに、その偽装食品の味のレポ−トなど果たして出来るのだろうか。
てかそんなにマジになんなくていんじゃね? 私の中の意識低い系の若者がそうつぶやく。それもそうだな。ひとまずコップに酒を注いで食ってみる。ポン酢にたっぷりと浸すと、なんとなく白身魚の刺し身に見えなくもない。食べる。つるんと舌の上に落ちたこんにゃ・・・フグは自身を噛み砕かんとする奥歯から逃れるように、あっちへつるり、こっちへつるり。それでも逃げる行程で舌の上に残していく、おろしポン酢のダシの利いた酸味は悪くない。舌で誘導して噛むと、くみくみ、くにゃくにゃ、思わずポン酢に引っ張られそうになるがその味が消えると、これはこんにゃく以外の何ものでもなかった。

しかし決してまずいわけではない。おろしポン酢とこんにゃくは合う。そもそも私は刺身こんにゃくをところてんに見立て、カラシポン酢で食べるのが好きなのである。しかもこの「こんにゃくのフグ刺し」には独特の工夫があり、ポン酢がよくからむように、こんにゃくの表面がざらざらに加工されているのだ。ここで私の中の意識高い系の若者が「繊細なレイヤ−が施されているとか書いた方がカッコよくね?」と提案してきたが却下。
常温の日本酒に合うのはもちろんだが、さすがに物足りないので厚揚げとちくわを煮たのも出して、しみじみと飲む初夏の夕べ。
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🍢は羨ましい限りです。当地ではアボカドに醤油マヨでにわか和食(勘違いですが)を1本400円地場ワインで嗜む程度です。
親方の肝臓は既にガチガチでしょうが精神面での労りはまず試みましょう。自分も然りですが。
毎年恒例のモミモミとの津田沼飲み会は、今年も2月に行いました。そんで、これまた例によって「mtxはどうしってかなあ」「最近連絡ねえよな」と、mtx殿のことは話題にのぼります。つーことで今度来日の際、都合が合えばまた昼酒しましょう是非是非。
最近はメキシコ漬けです。Buenos Dias.
鬼畜国のトランプ騒ぎは、国の長とはなんぞや、と再考させされます。私は民主党のClintonでなくSandersに期待していますが。
とはいえ、元Hollywood俳優が大統領(Regan)や州知事(Arnold)になったお国柄、仕方なしですか。
とりあえずmtx殿がお元気でなにより。